株式会社の設立、増資による株式の発行時の仕訳 簿記3級独学講座

株式会社の設立、増資をしたときの仕訳

会社とは出資者から資金の提供を受けて事業をし、事業により得た利益を出資者に分配する会社法上の組織をいいます。

会社法において、会社は持分会社と株式会社に大別されますが、簿記3級の検定試験においては(小規模の)株式会社が対象になりますので、ここでは株式会社の設立、増資時の仕訳について解説します。

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株式会社とは

株式会社は基本的に、大規模な事業を行うために株式を発行して多くの出資者に株主になってもらい、多額の資金を調達し、出資を受けた経営者が経営します。そのため容易に資金調達を可能にするため会社法において様々な制度が設けられています。

株式

株式とは、株式会社が出資してもらった人に対して発行する証券のことで、株式会社における株主(出資者)としての地位を表す権利をいいます。
株式会社は株式を発行することで資金を調達しますが、1株あたりの発行価格を自由に決めることができ、このことにより少額の資金でも比較的多くの人から調達しやすいようにしています。
なお、従来は株主としての権利を表すために株主には株券が発行されていましたが、現在は株券の不発行が原則になっています。

株主有限責任の原則

株式の所有者を株主といい、株主は取得した株式の数に応じて株主総会での議決権の行使や配当金、残余財産の分配を受ける権利を持ちますが、会社の業績が悪化し倒産しても会社の債務を負担する必要は一切ありません。
これを株主有限責任の原則といい、株主は出資額を限度として出資義務を負うのみで、会社債権者に対しては難の義務も負わないことにより株式会社の資金調達を容易にしています。

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株式会社の設立時と増資時の仕訳

株式会社を設立する場合、株主に株式を発行し、資金を払い込んでもらいますが、簿記3級の検定試験では株主からの払込額は資本金勘定で処理します(簿記2級の検定試験では払込額の一部を資本準備金勘定で処理することもあります)。

また、株式会社設立後に新たに資金調達(増資)する時も、株主からの払込額は資本金勘定で処理します(簿記2級の検定試験では払込額の一部を資本準備金勘定で処理することもあります)。

資本金=1株の払込金額×発行株式数

このように資本金は、株主からの払込額を表します。

増資時の株式発行

設例1
株式1000株を1株当たり5,000円で発行し、A株式会社を設立した。株主からの払込金は当座預金へ振り込まれた。

(借) 当座預金 5,000,000円 (貸) 資本金 5,000,000円

設例2
株式3000株を1株当たり3,000円で発行し、B株式会社を設立した。株主からの払込金は当座預金へ振り込まれた。

(借) 当座預金 9,000,000円 (貸) 資本金 9,000,000円

設立時の株式発行

設例1
C株式会社は株式5000株を1株当たり3,000円で発行し、新たに資金調達した。株主からの払込金は当座預金へ振り込まれた。

(借) 当座預金 15,000,000円 (貸) 資本金 15,000,000円

設例2
D株式会社は株式10000株を1株当たり1,000円で発行し、新たに資金調達した。株主からの払込金は当座預金へ振り込まれた。

(借) 当座預金 10,000,000円 (貸) 資本金 10,000,000円

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