有形固定資の取得価額、建設仮勘定、割賦購入、改良・修繕の仕訳 商業簿記2級独学講座

有形固定資の取得価額、建設仮勘定、割賦購入、改良・修繕の仕訳

有形固定資産とは1年以上の長期にわたり使用することを目的として保有する資産をいい、建物や構築物、機械、備品、車両運搬具、土地、建設仮勘定など具体的な形のあるものをいいます。

有形固定資産は1年以上にわたり使用し、時の経過や使用とともに消耗し価値が減るため取得時に費用処理するのではなく、資産の種類に応じた費用配分の原則によって、資産の取得価額を使用期間にわたり各事業年度に配分しなければならないとされています。

このようなことから取得原価の決定は、減価償却にとって重要な意味を持ちます。

ここでは、有形固定資の取得価額、建設仮勘定、割賦購入の仕訳・処理などについて解説します。

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有形固定資の取得価額

有形固定資産を購入した時は、購入代価にその資産を使用できるようにするまでにかかった費用(仲介手数料や登記料、買入手数料、据付費、試運転費、改装費、整地費、運搬費などの付随費用を含めます。
購入にあたり値引きや割戻しを受けた場合は、購入代価から値引き、割戻しの金額を控除します。

有形固定資産の取得価額=購入代価+付随費用-値引き・割戻し額

設例
工場で使用する機械を1,000,000円で購入し、試運転費など使用までにかかる諸費用100,000円を含めた取得価額の30%を現金で支払い、残金は翌月払いとした。

(借) 機械装置 1,100,000円 (貸) 現 金 330,000円
(貸) 未払金 770,000円

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建設仮勘定とは?建設仮勘定の仕訳、費用処理

建設仮勘定とは、現在建設中または製作中の工事代金の支払額を一時的に処理するための勘定をいいます。

建物や構築物、機械などは建設や制作開始から完成までに時間がかかるため、建設中や製作中に工事代金の一部を支払うことがありますが、支払時点では有形固定資産は未完成なので支払額を建物勘定や構築物勘定などではなく一時的に建設仮勘定で処理します。

そして建物などが完成した時に、建設仮勘定から建物勘定など適切な勘定へへ振り替えします。

なお、建設仮勘定は固定資産を使用する前の勘定ですので、建設仮勘定に対する減価償却は行いません。

設例
(1)本社建物の建築代金1,000,000円のうち、半額を建築依頼の契約時に小切手を振り出して支払った。

(借) 建設仮勘定 500,000円 (貸) 当座預金 500,000円

(2)本社建物が完成し引き渡しを受けるとともに、残金を小切手で支払った。

(借) 建 物 1,000,000円 (貸) 建設仮勘定 500,000円
(貸) 当座預金 500,000円

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有形固定資産の割賦購入の仕訳

固定資産の割賦購入とは、固定資産を長期間にわたり分割払いで購入することです。

有形固定資産は一般的に高額になるため長期間にわたり分割で支払うことがありますが、利息がかかるため代金全額を一括で支払うより高額になることが多々あります。

しかし、一括払いと分割払いで固定資産の取得価額が異なるのはおかしいため、利息は固定資産の取得価額に含めないように処理します。

すなわち固定資産を割賦購入した場合、利息を含めた支払総額を貸方に計上するとともに、有形固定資産勘定の借方には固定資産を現金一括購入価額で計上し、支払総額と現金一括購入価額との差額を支払利息または前払利息として計上します。

設例
20×1年5月1日に1,000,000円の建物を固定資産税等の諸費用100,000円とともに割賦購入し、総額1,340,000円を毎年4月末日支払いの5年分割で普通預金から支払うこととした。
会計期間は4月1日から3月31日までとする。

(1)利息相当額について資産勘定で処理する方法
20×1年5月1日

(借) 建 物 1,100,000円 (貸) 未払金 1,340,000円
(借) 前払利息 240,000円

(2)利息相当額について費用勘定で処理する方法
20×1年5月1日

(借) 建 物 1,100,000円 (貸) 未払金 1,340,000円
(借) 支払利息 240,000円

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割賦購入代金の支払時、決算時の仕訳

割賦購入代金の支払時は通常の支払処理になります。
また決算では、その期における支払利息を計上します。簿記2級では利息の計算方法は、定額法を学習します。

設例
20×1年10月1日に1,000,000円の建物を固定資産税等の諸費用100,000円とともに割賦購入し、総額1,340,000円を毎年2月末日支払いの5年分割で普通預金から支払うこととした。
会計期間は4月1日から3月31日までとする。

(1)利息相当額について資産勘定で処理する方法
20×1年10月1日

(借) 建 物 1,100,000円 (貸) 未払金 1,340,000円
(借) 前払利息 240,000円

20×2年2月末日

(借) 未払金 268,000円 (貸) 普通預金 268,000円

※ 1,340,000円÷5年=268,000円

20×2年3月31日

(借) 支払利息 24,000円 ※1 (貸) 前払利息 192,000円
(借) 長期前払利息 168,000円 ※2

※1 240,000円÷5年×6か月(10月から3月)÷12か月=24,000円
※2 240,000円÷60か月(5年)×42か月(20×3年4月から20×6年9月)=168,000円

(借) 未払金 938,000円 ※3 (貸) 長期未払金 938,000円

※3 1,340,000円÷5年×3年6か月=938,000円

(2)利息相当額について費用勘定で処理する方法
20×1年10月1日

(借) 建 物 1,100,000円 (貸) 未払金 1,340,000円
(借) 支払利息 240,000円

20×2年2月末日

(借) 未払金 268,000円 (貸) 普通預金 268,000円

※ 1,340,000円÷5年=268,000円

20×2年3月31日

(借) 前払利息 48,000円 ※1 (貸) 支払利息 216,000円
(借) 長期前払利息 168,000円 ※2

※1 240,000円÷5年×1年(20×2年4月から20×3年3月)=48,000円
※2 240,000円÷60か月(5年)×42か月(20×3年4月から20×6年9月)=168,000円

(借) 未払金 938,000円 ※3 (貸) 長期未払金 938,000円

※3 1,340,000円÷5年×3年6か月=938,000円

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有形固定資産の改良・修繕

改良とは、固定資産に対する支出により固定資産の耐用年数を伸ばしたり、固定資産の価値を高めることをいい、改良のための支出を資本的支出といいます。

修繕とは、固定資産に対する支出により固定資産の価値を維持することをいい、収益的支出といいます。

改良を行った時は、その支出額を固定資産の取得原価に加算(資産)し、修繕を行った時は、その支出額を修繕費(費用)として処理します。

設例
本社建物を改築し1,000,000円を小切手を振り出して支払ったが、そのうち300,000円は現状維持のための費用であった。

(借) 建 物 700,000円 (貸) 当座預金 1,000,000円
(借) 修繕費 300,000円

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