消耗品費、固定資産税、自動車税、収入印紙など租税公課、通信費、旅費交通費の仕訳、貯蔵品への振替処理 簿記3級独学講座

消耗品費、固定資産税、自動車税、収入印紙など租税公課、通信費の処理、貯蔵品への振替仕訳

消耗品費とは、文房具やパソコンの少額の付属品など1年以内に使用される消耗品をいいます。
消耗品を購入した時は、消耗品費勘定(費用)で処理します。

(借) 消耗品費 ×××円 (貸) 現 金 ×××円

租税公課とは、所有し事業に使用している土地や建物の固定資産税や自動車税、収入印紙など利益以外の金額に基づいて課される税金をいいます。法人税や住民税、事業税など利益に基づいて課される税金は含まれません。

固定資産税は、毎年1月1日に土地や建物を所有することでかかる税金です。市町村税ですので固定資産の所在する市町村に納付します。自動車税は自動車を所有することでかかる税金です。都道府県税ですので、各都道府県に納付します。

租税公課が発生した時は、租税公課勘定(費用)で処理します。

(借) 租税公課 ×××円 (貸) 現 金 ×××円

通信費とは、郵便切手や郵便切手の印刷されたハガキ(官製はがき)、電話、インターネット回線代など通信にかかった費用をいいます。
通信費が発生した時は、通信費勘定(費用)で処理します。

(借) 通信費 ×××円 (貸) 現 金 ×××円

旅費交通費とは、出張旅費、通勤費、電車の回数券など宿泊や交通にかかる費用をいいます。
旅費交通費が発生した時は、旅費交通費勘定(費用)で処理します。

(借) 旅費交通費 ×××円 (貸) 現 金 ×××円

スポンサーリンク

貯蔵品への振替仕訳

収入印紙や郵便切手、官製はがき、電車の回数券などは換金価値が高く、高額になるものですので、期末に未使用のものがある時は貯蔵品勘定(資産)に振り替えます。

例えば、収入印紙を100,000円購入し、期末に70,000円の未使用がある場合、決算整理にで次のような振替仕訳をします。

購入時

(借) 租税公課 100,000円 (貸) 現 金 100,000円

期末(決算整理仕訳)

(借) 貯蔵品 70,000円 (貸) 租税公課 70,000円

なお消耗品の未使用分は、資産に計上しません。本来は消耗品も未使用分を資産に計上すべきですが未使用分を貯蔵品として資産計上しないのは、切手や収入印紙と異なり換金性が低いためです。

設例
(1)ボールペンを購入し、1,000円を現金で支払った。

(借) 消耗品費 1,000円 (貸) 現 金 1,000円

(2)300,000円の固定資産税の納付書が届いたので、普通預金から支払った。

(借) 租税公課 300,000円 (貸) 普通預金 300,000円

(3)当期の自動車税50,000円を小切手を振り出して支払った。

(借) 租税公課 50,000円 (貸) 当座預金 50,000円

(4)収入印紙200,000円を現金支払いで購入した。

(借) 租税公課 200,000円 (貸) 現 金 200,000円

(5)郵便切手50,000円と官製はがき30,000円を現金支払いで購入した。

(借) 通信費 80,000円 (貸) 現 金 80,000円

(6)営業担当者から出張旅費の領収書30,000円の提出があったので、小口現金から支払った。

(借) 旅費交通費 30,000円 (貸) 小口現金 30,000円

(7)電車の回数券を100,000円で現金購入した。

(借) 旅費交通費 100,000円 (貸) 現 金 100,000円

(8)期中に現金で購入した収入印紙150,000円のうち期末現在50,000円が未使用であった。
期中

(借) 租税公課 150,000円 (貸) 現 金 150,000円

決算整理仕訳

(借) 貯蔵品 50,000円 (貸) 租税公課 50,000円

なお、購入時に貯蔵品勘定で処理し、決算時に使用分だけ費用処理する方法もあります。
期中

(借) 貯蔵品 150,000円 (貸) 現 金 150,000円

決算整理仕訳

(借) 租税公課 100,000円 (貸) 貯蔵品 100,000円

(9)期中に現金で購入した郵便切手150,000円と官製はがき230,000円のうち期末現在郵便切手100,000円、官製はがき120,000円が未使用であった。
期中

(借) 通信費 380,000円 (貸) 現 金 380,000円

決算整理仕訳

(借) 貯蔵品 220,000円 (貸) 通信費 220,000円

購入時に貯蔵品勘定で処理し、決算時に使用分だけ費用処理した場合は次のようになります。
期中

(借) 貯蔵品 380,000円 (貸) 現 金 380,000円

決算整理仕訳

(借) 通信費 160,000円 (貸) 貯蔵品 160,000円

(10)期中に現金で購入した電車の回数券100,000円のうち期末現在50,000円が未使用であった。
期中

(借) 旅費交通費 150,000円 (貸) 現 金 150,000円

決算整理仕訳

(借) 貯蔵品 50,000円 (貸) 旅費交通費 50,000円

購入時に貯蔵品勘定で処理し、決算時に使用分だけ費用処理した場合は次のようになります。
期中

(借) 貯蔵品 150,000円 (貸) 現 金 150,000円

決算整理仕訳

(借) 旅費交通費 100,000円 (貸) 貯蔵品 100,000円

スポンサーリンク

貯蔵品からの再振替仕訳

租税公課や通信費、旅費交通費などで前期に貯蔵品へ振り替えられ、当期に繰り越された貯蔵品は、期首に租税公課や通信費、旅費交通費などもとの勘定科目に振り替えます。これを再振替仕訳といいます。

設例
期首に前期から繰り越されてきた収入印紙30,000円、官製はがき50,000円、電車の回数券20,000円を再振替仕訳した。
前期末

(借) 貯蔵品 100,000円 (貸) 租税公課 30,000円
(貸) 通信費 50,000円
(貸) 旅費交通費 20,000円

当期首

(借) 租税公課 30,000円 (貸) 貯蔵品 100,000円
(借) 通信費 50,000円
(借) 旅費交通費 20,000円

広告

スタディング簿記講座⇒こちら

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする