仕入諸掛、売上諸掛など仕入・売上付随費用の会計処理(仕訳、勘定科目)~簿記3級独学講座

引き取り運賃、発送費など仕入・売上諸掛り、付随費用の会計処理(仕訳、勘定科目)

商品の売買に伴い、売主から買主へ商品を引き渡す際に掛かる運賃、保険料、手数料などの引取費用(付随費用)を「諸掛り」といい、買主が負担する引き取り運賃などの付随費用を仕入諸掛、売主が負担する発送費などの付随費用を売上諸掛といいます。

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諸掛りの会計処理(仕訳、勘定科目)

商品の売買に伴う付随費用(諸掛り)の会計処理は、売主・買主のどちらが付随費用(諸掛り)を負担するかによって処理が異なります。

買主が付随費用(諸掛り)を負担する場合は、仕入諸掛を仕入れた商品の代金として取得原価に加算します。三分法では仕入勘定に含めます。
これは、商品の取得原価は仕入れた商品そのものの対価(商品代金)だけでなく、商品が販売できる状態になるまでに掛かった費用を意味するためです。

商品の取得原価=商品代金+仕入諸掛

一方、売主が付随費用(諸掛り)を負担する場合は、発送費や運送費などの勘定科目で費用として処理します。

なお、付随費用(諸掛り)を買主が負担する場合で、売主が立て替え払いした場合は、その額を立替金勘定で処理します。立替額を売掛金勘定で処理することもありますが、売掛金は商品売買にかかる債権を意味する勘定(売掛金の相手勘定が売上になる場合に使われる勘定)ですので、基本的に立替金勘定で処理します。

付随費用(諸掛り)を売主が負担する場合で、買主が立て替え払いした場合は、付随費用は商品の取得原価にはなりませんので、仕入勘定には含めず、立替金勘定で処理します。

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仕入諸掛、売上諸掛の仕訳 具体例

取引、仕訳例1
商品100,000円を掛けで仕入れた。商品引き取りに際し、運賃、保険料など付随費用(諸掛り)が10,000円必要であったが、買主負担とし、売主が現金で立て替え払いし、掛代金と一緒に請求することとした。

売主

(借) 売掛金 100,000円 (貸) 売 上 100,000円
(借) 立替金 10,000円 (貸) 現 金 10,000円

買主

(借) 仕 入 110,000円 (貸) 買掛金 110,000円

取引、仕訳例2
商品150,000円を掛けで仕入れ、商品引き取りに際して発生した付随費用(諸掛り)20,000円は、買主負担とし、現金で支払った。

売主

(借) 売掛金 150,000円 (貸) 売 上 150,000円

買主

(借) 仕 入 170,000円 (貸) 買掛金 150,000円
(貸) 現 金 20,000円

取引、仕訳例3
商品130,000円を掛けで仕入れ、商品引き取りに際して発生した付随費用(諸掛り)30,000円は、売主負担とし、買主が現金で立て替え払いした。

売主

(借) 売掛金 130,000円 (貸) 売 上 130,000円
(借) 発送費 30,000円 (貸) 未払金 30,000円

買主

(借) 仕 入 130,000円 (貸) 買掛金 130,000円
(借) 立替金 30,000円 (貸) 現 金 30,000円

取引、仕訳例4
商品360,000円を掛けで販売し、商品発送に際して発生した付随費用(諸掛り)5,000円は、買主負担とし、買主が現金で支払った。

売主

(借) 売掛金 360,000円 (貸) 売 上 360,000円

買主

(借) 仕 入 365,000円 (貸) 買掛金 360,000円
(貸) 現 金 5,000円

取引、仕訳例5
商品300,000円を掛けで販売し、商品発送に際して発生した付随費用(諸掛り)50,000円は、売主30,000円の負担、買主20,000円の負担とし、売主が現金で立て替え払いした。

売主

(借) 売掛金 300,000円 (貸) 売 上 300,000円
(借) 発送費 30,000円 (貸) 現 金 50,000円
(借) 立替金 20,000円

買主

(借) 仕 入 320,000円 (貸) 買掛金 320,000円

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