簿記とは?その目的と意味・仕組みを初心者にもわかりやすく解説

簿記とは?その目的と意味・仕組み

簿記とは「経済活動を帳簿に記録すること」、より詳しく言うと(1)企業や個人が(2)日々の活動内容を(3)決まった単語と金額で帳簿に記録すること、をいいます。

ここにいう「(1)企業や個人」とは一定の目的を持って活動する組織のことで、営利か非営利か、公共事業が私企業か、規模、業種を問いません。

また「(2)日々の活動内容」とは、どのような活動を行い(現金100円で備品を購入した。商品を販売し1000円もらったなど)、その結果どのような状態になったか(朝に2000円あった現金が夜には2900円になったなど)、といったように簿記で言う活動とは金額で表せるものになります。

さらに「(3)決まった単語と金額で帳簿に記録」とは、(2)で認識した活動内容を日付順(発生順)に、決まった単語(勘定科目)と金額で仕訳帳や総勘定元帳などの帳簿に記録していくことをいいます。

すなわち、どれだけ稼いでどれだけ使い、どれだけ財産を持っていて、どれだけ支払わなければならないか、どれだけ蓄えがあるのかを表す仕組みです。

簿記ではこれらの取引を大きく「資産」「負債」「資本」「収益」「費用」の5つに分け、その増減を記録していきます。

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簿記の目的

人の生活は、狩猟から物々交換、さらには物と貨幣との交換取引へと変わってきました。

物と貨幣を交換する貨幣経済では財産を所有し、お金の出入り、貸し借りが生じますが、経済規模が小さい頃はお互いに記憶しておけば十分でした。

しかし、経済規模が大きくなってくると人からお金を借りる行為も起こり、お金の出入りの頻度や額、財産が大きくなり、収入と支出の状況を正確に把握しておくためには記録(簿記)の力を借りる必要がでてきます。

また事業者は、金銭を増やすべく所有する財を運用し活動しますが、事業を管理し維持していくためには、現状を把握し、過去を省み、将来を予測するための資料が必要になります。

さらに事業規模の拡大により株主や投資家、債権者、従業員など企業内外に様々な利害関係者が増えてきますが、株主や投資家、債権者など企業の外部者は簿記により作成した資料(貸借対照表や損益計算書)により取引するかどうか、取引の仕方などを決めますし、従業員など組織の内部の人は、簿記により作成した資料に基づき自分たちの活動状況を把握し、今後の活動に役立てます。

このような目的に役立たせるため、簿記は下記の目的を達成させるために、一定のルールに従い、日々の活動を記録していきます。
(1)事業者の財産管理のために日々の経済活動による財産の変動を記録する
(2)一定期間の経営成績、一定期日の財政状態を明らかにし、利害関係者の意思決定に役立てる

経営成績とは企業や個人がどのような活動をして、その結果いくら儲かったのかを表すもので、損益計算書というもので表現します。
損益計算書には売上などの収益、売上原価や諸経費などの費用、収益と費用の差額の利益が記載されます。

財政状態とは一定の時点において事業者がどういった財産をいくら所有し、支払わなければならない負債がいくらあり、実質的にいくらの財産を持っているのかを表すもので、貸借対照表により表現されます。

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簿記の前提条件

簿記を勉強、理解するうえで
(1)会計単位
(2)会計期間
(3)金額(貨幣)表示
の3つの前提条件を理解しておく必要があります。

(1)会計単位

簿記が対象とする事業と、その事業の所有者や事業を行う事業主の個人的な活動を明確に区別し、帳簿を記録する単位をどこにするかということです。株式会社でしたら「○○株式会社」がその単位となります。

例えば、事業に利用する不動産を購入した場合、簿記の対象となり帳簿に記録しますが、事業主の個人的な財産として不動産を購入した場合は、不動産は事業主個人の所有物であるため簿記の対象とはなりません。

(2)会計期間

事業は絶え間なく半永久的に継続していくことを前提に活動しているため、一定期間の経営成績や一定期日の財政状態を明確にするには、経済活動を一定期間に区切る必要がありますが、この区切りの期間を会計期間といいます。

会計期間は税法や会社法で原則1年とされ、個人の場合は、期末日は12月31日と決められているため、会計期間は1月1日から12月31日になりますが、会社の場合は期末日を自由に決めることができます。

なお、会計期間の初日を期首、最終日を期末、現在の会計期間を当期、1つ前の会計期間を前期と呼びます。

(3)金額(貨幣)表示

簿記の記録は金額により表示できるものだけを対象とするものです。そのためブランド力や製品の品質など金額で表現できないものは簿記の対象外となります。

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簿記の5要素

簿記の目的である「一定期日の財政状態」は貸借対照表により、「一定期間の経営成績」は損益計算書により表されますが、貸借対照表や損益計算書を作成するためには、「資産」「負債」「純資産(資本)」「収益」「費用」という簿記の要素(五大要素)を理解しておく必要があります。

五大要素のうち「資産」「負債」「純資産(資本)」は貸借対照表を作成するために必要な要素で、「収益」「費用」は損益計算書を作成するために必要な要素です。

それぞれの要素を帳簿に記録するときには、その内容に合わせて名称を付けます。

これを勘定科目といいますが、簿記では、各要素の内訳である勘定科目の増減を記録し、集計することで貸借対照表、損益計算書を作成します。

貸借対照表
資産 負債
純資産(資本)

資産…調達してきた資金をどのように使っているかを表すもので、事業者が事業のために所有する価値を有するモノをいいます。現金や預金ほか、将来に現金になる棚卸資産や債権、有価証券、将来の収益獲得のために役立つ有形・無形固定資産などをいいます。

負債…資金をどのように集めてきたかを表すとともに、支払債務など資産を引き渡す義務、将来発生するかもしれない費用などをいいます。借入金や掛仕入(後日支払い)による買掛金、未払金などがあります。

純資産(資本)…株主からの出資など返済する必要のない元手をどのように集めてきたかを表すものや事業活動を通じて得た累積利益(損失)などです。元入れ資金は会社では資本金、個人では元入金、累積利益(損失)は利益剰余金として表します。

資産-負債=純資産となります。

損益計算書
費用 収益
利益

収益…商品の販売やサービスの提供により得た収入で、純資産(資本)が増える原因となるものをいいます。売上や補助金受入、受取利息などがあります。

費用…収益を得るために費やしたり、支払ったりしたもので、純資産(資本)を減らす原因となるものです。仕入や給料、水道光熱費、消耗品費などがあります。

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