売掛金・買掛金とは?会計処理わかりやすく
売上代金を「後でもらう」ことにしたり、仕入代金を「後で支払う」ことにする取引を掛けによる商品売買(掛け売上、掛け仕入)といいます。
掛けによる商品売買が発生すると、取引先との間で商品代金を後で受け取る権利、後で支払う義務が発生しますが、この債権債務を売掛金勘定、買掛金勘定を使い会計処理します。
すなわち、売掛金とは、商品を販売し、代金を後で回収することにしたときに発生する債権(将来、代金を回収することのできる権利)で、買掛金とは、商品を仕入れ、代金を後で支払うことにしたときに発生する債務(将来、代金を支払わなければならない義務)です。
売掛金も買掛金も、主な営業活動に伴い債権や債務が発生した際に使う勘定です。よって主たる営業に関係しない活動による債権や債務については、未収入金や立替金、未払金などの勘定を使い、売掛金勘定(資産)や買掛金勘定(負債)は使用しません。
ここでは売掛金・クレジット売掛金と買掛金の会計処理について分かりやすく解説します。
売掛金の会計処理
商品を掛けで販売した時
商品を掛けで販売した時は、後で代金を受け取れる権利(資産)が生じますので、売掛金勘定の借方に記載します。
取引、仕訳例
5月1日、ABC株式会社に商品を10,000円で販売し、代金は掛けとした。
(借) | 売掛金 | 10,000円 | (貸) | 売 上 | 10,000円 |
売掛金を回収した時
売掛金を回収したときは、後で代金を受け取れる権利(資産)が消滅しますので、売掛金勘定の貸方に記入します。
取引、仕訳例
5月31日、ABC株式会社に対する売掛金10,000円を現金で回収した。
(借) | 現 金 | 10,000円 | (貸) | 売掛金 | 10,000円 |
買掛金の会計処理
商品を掛けで仕入れた時
商品を掛けで仕入れた時は、後で代金を支払う義務(負債)が生じますので、買掛金勘定の貸方に記載します。
取引、仕訳例
5月1日、株式会社XYZから商品を10,000円で仕入れ、代金は掛けとした。
(借) | 仕 入 | 10,000円 | (貸) | 買掛金 | 10,000円 |
取引、仕訳例
5月31日、株式会社XYZに対する買掛金10,000円を現金で支払った。
(借) | 買掛金 | 10,000円 | (貸) | 現 金 | 10,000円 |
クレジット売掛金の会計処理。クレジット買掛金は?
カード利用の普及により、得意先からクレジットカードでの支払いを要求される場合があります。
この時、売り手は取引先に対し債権が発生するのではなく、クレジットカード会社に対し債権が発生することになります。
クレジットカードによる支払いを受けた時点で、買主は売主に対し支払いを完了しているためです。
そして、クレジットカード会社に対する債権は、売掛金勘定ではなくクレジット売掛金勘定(資産)で処理します。
また、売主は一定の手数料をクレジットカード会社に対し負担しますが、この手数料は支払手数料勘定(費用)で処理します。
一方、買主はクレジットカード会社に対し債務を負うことになり、後日購入代金が預金口座から引き落とされますので、代金支払いにクレジットカードを利用した時点でクレジットカード会社に対する買掛金を記録することになります。
なお、クレジットカードを利用した取引では、売主はクレジット売掛金勘定を使用しますが、買主はクレジット買掛金勘定を使用しません。これは、売主はクレジットカードによる販売の場合、手数料を負担するため通常の売掛金と異なりますが、買主は手数料を負担しませんので通常の買掛金と同じだからです。
取引、仕訳例
5月1日、株式会社DEFに対し商品10,000円を販売し、代金回収はクレジットカードによる支払いに応じた。なお、手数料は販売代金の3%で、債権から差し引かれて支払われる。
売主
(借) | クレジット売掛金 | 9,700円 | (貸) | 売 上 | 10,000円 |
(借) | 支払手数料 | 300円 |
買主
(借) | 仕 入 | 10,000円 | (貸) | 買掛金 | 10,000円 |
5月31日、クレジット売掛金が普通預金に振り込まれた。
売主
(借) | 普通預金 | 9,700円 | (貸) | クレジット売掛金 | 9,700円 |
6月10日、クレジット代金が買主の普通預金口座から引き落とされた。
買主
(借) | 買掛金 | 10,000円 | (貸) | 普通預金 | 10,000円 |
人名勘定
複数の取引先がある場合、売掛金勘定、買掛金勘定だけではそれぞれの総額は把握できても、個々の取引先ごとの売掛金、買掛金の増減及び残高が把握できません。
そこで取引先ごとの売掛金、買掛金の状況を把握するために、取引先の名前を付けた感情を設け、売掛金、買掛金の増減を記録することがあります。これを人名勘定といいます。
取引先ごとの売掛金、買掛金の増減及び残高を把握する方法としては、一般的に補助簿の得意先元帳、仕入先元帳がありますが、取引先の数が少ない場合、総勘定元帳で売掛金勘定や買掛金勘定の代わりに人名勘定が使用されることがあります。
取引、仕訳例1
5月1日、ABC株式会社に商品10,000円を販売し、代金は掛けとした。
(借) | ABC株式会社 | 10,000円 | (貸) | 売 上 | 10,000円 |
5月31日、ABC株式会社に対する売掛金10,000円が普通預金に振り込まれた。
(借) | 普通預金 | 10,000円 | (貸) | ABC株式会社 | 10,000円 |
商品を掛けで販売したときは、売掛金の代わりに、得意先名を借方に記帳し、代金を回収したり、返品があった場合は得意先名を貸方に記帳します。
取引、仕訳例2
5月1日、XYZ株式会社から商品10,000円を購入し、代金は掛けとした。
(借) | 仕 入 | 10,000円 | (貸) | XYZ株式会社 | 10,000円 |
5月31日、XYZ株式会社に対する買掛金10,000円を普通預金からしはらった。
(借) | XYZ株式会社 | 10,000円 | (貸) | 普通預金 | 10,000円 |
商品を掛けで仕入れたときは、買掛金の代わりに、仕入先名を貸方に記帳し、代金を支払ったり、返品した場合は仕入先名を借方に記帳します。