経営成績とは?経営成績を表すには?損益計算書の作り方~簿記3級独学講座

経営成績とは?経営成績を表すには?

経営成績とは、事業活動によりいくら収入があり、その収入を得るためにいくらの費用がかかり、その結果いくらの利益が得られたのかをいいます。この利益は収益から、収益を得るために犠牲となった費用を控除することにより表されます。

収益-費用=利益(マイナスの時は損失)

また経営活動を一定期間に区切り、計算した今年度の利益を当期純利益といいます。

今年度の収益-今年度の費用=当期純利益(マイナスの時は当期純損失)

収益…商品の販売代金、サービスの提供代金、預金利息、受取賃料など外部からお金が入ってくるもので、会社の財産が増加する原因となるものです。

費用…売上原価(仕入)、給料、水道光熱費、事務用品費、広告宣伝費、通信費、支払利息などお金が出ていくもので、会社の財産が減少する原因となるものです。

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経営成績を表す損益計算書

経営成績は企業活動の結果である収益と費用を対比させ、差額の利益により表されますが、これを表現するものを損益計算書といいます。

よって損益計算書では経営成績を、収益から費用を差し引き、利益を計算することで表現します。

・事例
株式会社のABC社の期末日は3月31日、会計期間は4月1日~3月31日です。
×1年4月1日~×2年3月31日までの経営活動は下記の通りです。

営業による収益 営業による費用
商品売上
3,000,000円
サービス提供手数料
2,500,000円
受取利息
1,000円
補助金受入
1,200,000円
受取家賃
500,000円
商品売上原価
1,100,000円
サービス提供費用
950,000円
給料
1,300,000円
水道光熱費
250,000円
消耗品費
400,000円
支払家賃
1,500,000円
支払利息
130,000円
収益合計     7,201,000円 費用合計    5,630,000円

当期純利益は収益から費用を控除して求められますので、当期純利益は7,201,000円-5,630,000円の1,571,000円となります。

損益計算書の作り方

損益計算書は左側(借方)に費用、右側(貸方)に収益の項目を記載し、収益と費用の差額として当期純利益もしくは当期純損失が示されます。
収益から費用を控除した額がプラス(当期純利益)の場合は左側(借方)に、マイナス(当期純損失)の場合は右側(貸方)に記載されます。
なお、左側(借方)と右側(貸方)の合計は必ず一致します。

先程の事例を損益計算書で示すと次のようになります。

損益計算書
ABC株式会社      ×1年4月1日~×2年3月31日     単位:円
(借方)勘定科目 金額 (貸方)勘定科目 金額
商品売上原価 1,100,000 商品売上 3,000,000
サービス提供費用 950,000 サービス提供手数料 2,500,000
給料 1,300,000 受取利息 1,000
水道光熱費 250,000 補助金受入 1,200,000
消耗品費 400,000 受取家賃 500,000
支払家賃 1,500,000
支払利息 130,000
当期純利益 1,571,000
合計 7,201,000 合計 7,201,000

当期純損失になるケース

先ほどの事例で、商品売上が2,000,000円、サービス提供手数料が1,500,000円、補助金受入が200,000円の場合、損益計算書は次のようになります。

損益計算書
ABC株式会社      ×1年4月1日~×2年3月31日      単位:円
(借方)勘定科目 金額 (貸方)勘定科目 金額
商品売上原価 1,100,000 商品売上 2,000,000
サービス提供費用 950,000 サービス提供手数料 1,500,000
給料 1,300,000 受取利息 1,000
水道光熱費 250,000 補助金受入 200,000
消耗品費 400,000 受取家賃 500,000
支払家賃 1,500,000 当期純損失 1,429,000
支払利息 130,000
合計 5,630,000 合計 5,630,000

当期純利益、当期純損失いずれの場合も、左側(借方)と右側(貸方)の合計は必ず一致します。

費用+当期純利益=収益(費用-当期純損失=収益)

これを損益計算書等式と呼び、損益計算書はこの等式に基づき作成されます。