手付金・内金の勘定科目(前払金・前受金)、仕訳 わかりやすく解説
商品売買において、契約の履行を確実にするために商品の受け渡し前に商品代金の一部または全部を手付金(内金ともいいます)として授受することがあります。
この場合、代金を支払った側は、後で商品を受け取る権利(債権)が発生しますので、前払金勘定(資産)で処理します。
一方、代金を受け取った側は、後で商品を引き渡す義務(債務)が発生しますので、前受金勘定(負債)で処理します。
前払金勘定への記入
手付金(内金)を支払った際には、前払金勘定(資産)の借方に記帳し、商品を受け取った、もしくは返金された際に前払金勘定の貸方に記帳します。
取引、仕訳例
5月1日、株式会社ABCは1カ月後の6月1日に株式会社XYZから商品を1,000,000円購入することを約束し、手付金(内金)として300,000円を現金で支払った。
6月1日、商品1,000,000円を仕入れ、300,000円は手付金を充当し、残金は掛けとした。
5月1日
(借) | 前払金 | 300,000円 | (貸) | 現 金 | 300,000円 |
6月1日
(借) | 仕 入 | 1,000,000円 | (貸) | 前払金 | 300,000円 |
(貸) | 買掛金 | 700,000円 |
商品仕入を約束し、手付金(内金)を支払った段階では仕入れを計上せず、商品を受け取った時に仕入を計上します。
前受金勘定への記入
手付金(内金)を受け取った際には、前受金勘定(負債)の貸方に記帳し、商品を引き渡した、もしくは返金した際に前受金勘定の借方に記帳します。
取引、仕訳例
5月1日、甲株式会社は1カ月後の6月1日に乙株式会社に商品を2,000,000円で販売することを約束し、手付金(内金)として500,000円を現金で受け取った。
6月1日、商品を2,000,000円で販売し、500,000円は手付金を充当し、残金は掛けとした。
5月1日
(借) | 現 金 | 500,000円 | (貸) | 前受金 | 500,000円 |
6月1日
(借) | 前受金 | 500,000円 | (貸) | 売 上 | 2,000,000円 |
(借) | 売掛金 | 1,500,000円 |
商品販売を約束し、手付金(内金)を受け取った段階では売上を計上せず、商品を引き渡した時に売上を計上します。