手付金(内金)の勘定科目(前払金・前受金)、仕訳 簿記3級独学講座
商品売買において、契約の履行を確実にするために商品の受け渡し前に商品代金の一部または全部を手付金(内金ともいいます)として授受することがあります。この場合、代金を支払った側は、後で商品を受け取る権利(債権)が発生しますので、前払金勘定(資産)で処理します。一方、代金を受け取った側は、後で商品を引き渡す義務(債務)が発生しますので、前受金勘定(負債)で処理します。
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商品売買において、契約の履行を確実にするために商品の受け渡し前に商品代金の一部または全部を手付金(内金ともいいます)として授受することがあります。この場合、代金を支払った側は、後で商品を受け取る権利(債権)が発生しますので、前払金勘定(資産)で処理します。一方、代金を受け取った側は、後で商品を引き渡す義務(債務)が発生しますので、前受金勘定(負債)で処理します。
売上代金を「後でもらう」ことにしたり、仕入代金を「後で支払う」ことにする取引を掛けによる商品売買(掛け売上、掛け仕入)といいます。掛けによる商品売買が発生すると、取引先との間で商品代金を後で受け取る権利、後で支払う義務が発生しますが、この債権債務を売掛金勘定、買掛金勘定を使い会計処理します。すなわち、売掛金とは、商品を販売し、代金を後で回収することにしたときに発生する債権(将来、代金を回収することのできる権利)で、買掛金とは、商品を仕入れ、代金を後で支払うことにしたときに発生する債務(将来、代金を支払わなければならない義務)です。売掛金も買掛金も、主な営業活動に伴い債権や債務が発生した際に使う勘定です。よって主たる営業に関係しない活動による債権や債務については、未収入金や立替金、未払金などの勘定を使い、売掛金勘定(資産)や買掛金勘定(負債)は使用しません。ここでは売掛金・クレジット売掛金と買掛金の会計処理について分かりやすく解説します。
買掛金元帳とは、仕入先元帳とも呼ばれ、仕入先別の買掛金明細を把握するための補助簿(補助元帳)で、総勘定元帳の買掛金勘定の内訳明細となります。そのため、全ての仕入先に買掛金元帳が作成されている場合、買掛金元帳の買掛金残高の合計は総勘定元帳の買掛金残高の金額と一致します。総勘定元帳には基本的に日付と相手科目、金額しか記載されませんが、買掛金元帳(仕入先元帳)には、これらの他、簡単な取引内容や引取運賃、支払条件などが記載されます。ここでは買掛金元帳(仕入先元帳)の書き方、締め切り方、記入例を事例を交えて解説します。
売掛金元帳とは、得意先元帳とも呼ばれ、得意先別の売掛金明細を把握するための補助簿(補助元帳)で、総勘定元帳の売掛金勘定の内訳明細となります。そのため、全ての得意先に売掛金元帳が作成されている場合、売掛金元帳の売掛金残高の合計は総勘定元帳の売掛金残高の金額と一致します。総勘定元帳には基本的に日付と相手科目、金額しか記載されませんが、売掛金元帳(得意先元帳)には、これらの他、簡単な取引内容や送り状番号、回収条件などが記載されます。ここでは売掛金元帳(得意先元帳)の書き方、締め切り方、記入例を事例を交えて解説します。
商品有高帳は、商品の受け入れや払い出しの都度、商品の種類ごとに数量・単価・金額を記録して、仕入原価で商品の増加、減少、残高を記録する帳簿です。しかし、同じ商品であっても仕入のタイミングなどにより仕入単価が異なることがあり、仕入単価が異なると、どの商品を販売したことにするかにより払出単価、残った商品の単価が異なります。払出単価の計算方法には個別法、先入先出法、平均原価法(移動平均法、総平均法)、売価還元法、最終仕入原価法、後入先出法などがありますが、簿記3級では、先入先出法、移動平均法が出題対象ですので、ここではこの2つの方法、返品、値引き、割戻しがあった場合の商品有高帳の書き方、さらに売上原価の求め方について説明します。なお、商品有高帳については、会計基準により特定の書き方が決められていません。企業の自由が認められていますので、ここでは一般的な書き方を紹介します。
仕入帳とは、商品の仕入取引の内訳明細を取引順に記録する補助記入帳(補助簿)です。商品を仕入れたときに仕訳帳に仕訳を記入するとともに、総勘定元帳の仕入勘定の借方に記入しますが、総勘定元帳には日付と相手科目、金額しか記入されません。そこで仕入帳を作成し、どこからどのような商品を何個、いくらの単価で仕入れたのかなどを記載し、仕入の管理に役立てています。ここでは、仕入帳の書き方、締め方について記入例を用いて解説します。
売上帳とは、商品の売上取引の内訳明細を取引順に記録する補助記入帳(補助簿)です。商品を販売したときに仕訳帳に仕訳を記入するとともに、総勘定元帳の売上勘定の貸方に記入しますが、総勘定元帳には日付と相手科目、金額しか記入されません。そこで売上帳を作成し、どこにどのような商品を何個、いくらの単価で販売したのかなどを記載し、売上の管理に役立てています。ここでは、売上帳の書き方、締め方について記入例を用いて解説します。
手形の振り出しにより手形債務が発生した場合、支払手形が決済された場合、総勘定元帳の支払手形勘定に記入しますが、手形で支払う取引先や頻度、金額が多い場合、総勘定元帳の支払手形勘定だけでは詳しい内容が分からないため管理しきれません。また手形は決済日までの期間が長いため、しっかり管理する必要があります。そこで支払手形勘定の内訳明細として補助簿の支払手形記入帳を作成し、手形の種類、手形番号、取引内容、受取人、振出人、振出日、満期日、支払場所、金額、てん末などを記録します。これにより、手形ごとの満期日や金額などをすぐに知ることができます。ここでは、支払手形記入帳の書き方、記入例について解説します。
手形の受取により手形債権が発生した場合、受け取った手形が決済された場合、総勘定元帳の受取手形勘定に記入しますが、売上代金を手形で受け取る得意先や頻度、金額が多い場合、総勘定元帳の受取手形勘定だけでは詳しい内容が分からないため管理しきれません。また手形は決済日までの期間が長いため、しっかり管理する必要があります。そこで受取手形勘定の内訳明細として補助簿の受取手形記入帳を作成し、手形の種類、手形番号、取引内容、支払人、振出人(または裏書譲渡人)、振出日、満期日、支払場所、金額、てん末などを記録します。これにより、手形ごとの満期日や金額などをすぐに知ることができます。ここでは、受取手形記入帳の書き方、記入例について解説します。
当座預金の増減、残高は総勘定元帳に記載されますが、複数の銀行に当座預金がある場合、総勘定元帳の当座預金勘定は全ての銀行の当座預金の増減、残高の集計になりますので、総勘定元帳だけでは銀行ごとの当座預金残高がわかりません。総勘定元帳の当座預金の勘定科目を「A銀行当座預金」「B銀行当座預金」のように銀行毎に分けて作成する方法もありますが、銀行数が多くなると当座預金の残高合計が把握しにくいなどの欠点も出てきます。そのため、当座預金の合計の管理は総勘定元帳で、銀行ごとの当座預金の増減、残高を把握するために当座預金出納帳(補助簿)を作ります。ここでは、当座預金出納帳の書き方、締め切り方について解説します。