ベンチャーファンドとは?仕組み、市場、リスク

ベンチャーファンドとは

ベンチャーファンドとは、会社型投資信託(投資法人)制度を活用して広く一般の投資家から資金を集め、当該資金を主に非上場のベンチャー企業に投資し、非上場株の上場によるキャピタルゲインを獲得し、分配することを目的とする金融商品です。

ベンチャー企業は、そのほとんどがスタートアップ間もない企業で新しいサービスや技術をもとにビジネスを展開するためビジネスモデルが確立していないことが多く、経営が不安定であり、また個人投資家が投資先企業の情報を入手することが困難であることなどから、ベンチャー企業への投資は、主に投資事業組合を利用して行われ、機関投資家が中心となっていました。

しかし、ベンチャー企業の資金需要は旺盛であり、またベンチャー企業への投資に興味ある個人投資家もいるため、投資信託制度を利用し、少額の資金で非上場企業への投資を間接的ながらできるようにしました。
投資信託制度を利用することで、分散投資、専門家による運用といったリスク分散メリットが享受できます。

さらに、ベンチャーファンド市場が2001年12月3日に大阪証券取引所に開設(現在は東京証券取引所)され、ベンチャーファンドのベンチャーファンド市場への上場により、投資資金の換金の場が確保され、個人投資家にも非上場企業への投資機会が提供されました。
(ベンチャーファンドの市場での売買は、株券と同じです。指値注文・成行注文、信用取引もできます。)

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ベンチャーファンド市場上場審査基準

ベンチャーファンド市場に上場するためには、次のような基準があります。

流動性基準

上場投資口口数(普通株券での株数):2,000単位以上
投資主数(普通株券での株主数):300人以上
大口投資主が所有する投資口の比率:80%以下
純資産総額:30億円以上

運用資産の比率

・国内の非上場株式等及び上場後5年以内の株式等への投資額の合計が運用資産等の総額の70%以上で、かつ、非上場株式等への投資額がその50%以上の見込みであること

・運用資産等の総額の30%が、流動資産等及び運用資産等に係る価格変動による損失の危険その他の危険を減殺することを目的とし、危険を減殺することが客観的に認められる権利その他の資産に限られる

これらの運用資産比率が上場申請時もしくは上場後6か月以内に達成できる見込みのあること。

未公開株等の評価の適正性

非上場株式等の評価を独立した未公開株等評価機関へ委託し、未公開株等評価機関が適正な評価を行うことができる社内体制にあること。

適時開示

ベンチャーファンドは主に非上場の会社に投資することから、

・純資産総額の5%以上の運用資産を譲渡又は取得した場合
・運用資産の未公開株等が上場されることとなった場合
・運用資産の株券等が上場廃止されることとなった場合
・投資先の未公開企業が破産、再生手続及び更生手続の申立てを行った場合、

は適時開示が、1口当たり純資産額、運用資産の概要などは定期的な情報開示が必要になります。

上場審査基準詳細はJPX ベンチャーファンド 概要

ベンチャーファンドのリスク、投資する際の注意点

・ファンドに組み入れた株式の株価下落や、株式発行企業の業績悪化、銘柄入れ替え等により、基準価額が下落する可能性があります。元本、分配金等が保証されていません。

・非上場企業は、一般的に上場企業と比較して財務体質等が脆弱なため、上場株式のみに投資するファンドに比べてリスクが大きくなっています。

・上場ベンチャーファンドの取引価格は、市場での需給等を反映したものですので、ベンチャーファンドの1口当たり純資産額(基準価格)は、必ずしも取引価格と一致しません。