売掛金元帳（得意先元帳）の書き方、締め切り方、記入例簿記３級独学講座

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売掛金元帳（得意先元帳）の書き方、締め切り方、記入例

売掛金元帳とは、得意先元帳とも呼ばれ、得意先別の売掛金明細を把握するための補助簿（補助元帳）で、総勘定元帳の売掛金勘定の内訳明細となります。
そのため、全ての得意先に売掛金元帳が作成されている場合、売掛金元帳の売掛金残高の合計は総勘定元帳の売掛金残高の金額と一致します。

総勘定元帳には基本的に日付と相手科目、金額しか記載されませんが、売掛金元帳（得意先元帳）には、これらの他、簡単な取引内容や送り状番号、回収条件などが記載されます。

ここでは売掛金元帳（得意先元帳）の書き方、締め切り方、記入例を事例を交えて解説します。

売掛金元帳（得意先元帳）の書き方、締め切り方

(1)日付欄
売掛金の発生した日付順に月日を記入します。同じページで月が同じであれば日付だけを記載します。日付が同じであれば「〃」を記入します。

なお、摘要欄、金額については、「〃」を使用しません。

(2)摘要欄
売掛金の回収条件や回収方法、送り状番号など売掛金の発生または回収に関する取引内容を簡単に記入します。

(3)借方欄、貸方欄
借方欄には売掛金の発生額を、貸方欄には売掛金の回収額を記載します。

返品や値引き、売上割戻しがあった場合は、貸方欄に記入するか、借方欄にマイナス表記します。

(4)借または貸欄
残高欄の金額が借方残高なのか貸方残高なのかを示します。借方残高の場合は「借」、貸方残高の場合は「貸」と記入します。

売掛金残高が貸方残高ということは、売掛金残高がマイナスということですので、基本的にありえません。貸方残高になる時は、記帳誤りを確認する必要があります。

(5)残高欄
売掛金の残高をその日の最終行に記載します。

全ての得意先に売掛金元帳が作成されている場合、売掛金元帳の売掛金残高の合計が総勘定元帳の売掛金残高の金額と一致していることを確かめます。

(6)締め切り方
売掛金元帳（得意先元帳）は毎月末に締め切ります。

①摘要欄に合計と記入し、対応する借方欄と貸方欄には借方欄と貸方欄の合計額を記入します。
②摘要欄に赤字で「次月繰越」と記入し、対応する貸方欄に売掛金残高を記入します。
③①と②の金額を合計し、借方と貸方の金額が一致していることを確認します。
④翌月初の記入として、摘要欄に「前月繰越」と記入し、対応する借方欄及び残高欄に前月末の残高を記入します。

なお、次のように①の記載を省略することもあります。

売掛金元帳（得意先元帳）の記入例

次の取引について仕訳をするとともに売掛金元帳（得意先元帳）、総勘定元帳（T勘定）を作成してください。

６月１日	甲社売掛金前月末残高500,000円、乙社売掛金前月末残高700,000円、丙社売掛金残月末残高1,000,000円
２日	甲社に商品を1,500,000円で販売し、全額掛けとした。送り状No.20
３日	乙社に商品を2,000,000円で販売し、半額を現金で回収し、半額掛けとした。送り状No.21
５日	丙社に商品を3,000,000円で販売し、全額掛けとした。送り状No.22
８日	甲社売掛金300,000円が普通預金へ入金された。
15日	乙社売掛金500,000円を得意先振り出しの小切手で回収した。
20日	丙社売掛金800,000円を当社振り出しの約束手形を裏書譲渡された。
25日	６月２日に甲社へ販売した商品の半分が返品された。
28日	６月５日に乙社に販売した商品の一部に品質不良があり100,000円の値引きをした。
30日	丙社に対する売り上げが一定量を超えたため50,000円の売上割戻しをした。