仕入帳の書き方、締め方、記入例
仕入帳とは、商品の仕入取引の内訳明細を取引順に記録する補助記入帳(補助簿)です。
商品を仕入れたときに仕訳帳に仕訳を記入するとともに、総勘定元帳の仕入勘定の借方に記入しますが、総勘定元帳には日付と相手科目、金額しか記入されません。
そこで仕入帳を作成し、どこからどのような商品を何個、いくらの単価で仕入れたのかなどを記載し、仕入の管理に役立てています。
ここでは、仕入帳の書き方、締め方について記入例を用いて解説します。
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仕入帳の書き方、締め方、記入上の注意
(1)日付欄
商品を仕入れた日付順に月日を記入します。同じページで月が同じであれば日付だけを記載します。日付が同じであれば「〃」を記入します。
なお、摘要欄、内訳欄、金額欄については、「〃」を使用しません。
(2)摘要欄
仕入先名、代金支払条件、送り状番号、商品名、数量、単価などを記入します。
(3)内訳欄
異なる種類の商品を同じ仕入先から同時に仕入れた場合は、品目ごとの合計金額を記入します。
(4)金額欄
仕入れた商品の合計金額(原価)を記載します。
(5)仕入返品、仕入値引の記入
仕入返品については、返品した仕入先名、支払条件、商品名、数量、単価を赤字で記入します。
仕入値引については、仕入先名、値引きした商品名、値引額を赤字で記入します。
(6)締め方
- ① 金額欄の返品、値引以外の金額を合計し、当月総仕入高として記入します。
- ② 金額欄の返品、値引きの金額を合計し、当月総仕入高の下の行に当月返品値引高として赤字で記入します。
- ③ 当月総仕入高から当月返品値引高を控除した金額を、当月返品値引高の下の行に当月純仕入高として記入します。
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仕入帳の記入例
次の取引について仕訳をするとともに仕入帳に記載してください。
7月1日 | 甲社から日本酒50本を@5,000、ワイン40本を@20,000、ウイスキー15本を@10,000で仕入れ、引取運賃5,000円とともに掛けとした。送り状No.#10 |
8日 | 乙社から焼酎10本を@3,000、ビール50本を@5,000で仕入れ、引取運賃3,000円とともに小切手(No.AA)を振り出した。送り状No.#11 |
25日 | 丙社からリンゴジュース30箱を@1,000で仕入れ、引取運賃1,000円とともに現金で支払った。送り状No.#12 |
31日 | 7月1日に甲社から仕入れた日本酒5本とワイン5本を返品した。 |
31日 | 7月8日に乙社から仕入れた焼酎、ビールに対し1本あたり300円の値引きを受け、値引額は来月末に振り込んでもらうことにした。 |
仕訳
7月1日
(借) | 仕 入 | 1,205,000円 | (貸) | 買掛金 | 1,205,000円 |
7月8日
(借) | 仕 入 | 283,000円 | (貸) | 当座預金 | 283,000円 |
7月25日
(借) | 仕 入 | 31,000円 | (貸) | 現 金 | 31,000円 |
7月31日
(借) | 買掛金 | 125,000円 | (貸) | 仕 入 | 125,000円 |
8月31日
(借) | 未収入金 | 18,000円 | (貸) | 仕 入 | 18,000円 |