自己破産後クレジットカード使える?リボ払い債務、カードポイント、家族カードは?新規にクレジットカード作れる?
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自己破産をすると、いわゆる「ブラックリスト」状態になるのでクレジットカードを作ったり利用したりできなくなってしまいます。
ただ自己破産しても一定年数が経過したらまたクレジットカードを使えるようになりますし、家族カードを使えるケースもあります。
今回は自己破産をしたときにクレジットカードにどういった影響が及ぶのか、カードを再び作れるようになるまでの期間、家族カードや家族への影響などについてわかりやすく解説します。
これから自己破産しようか迷っている方、既に自己破産をしてブラックリスト状態になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.自己破産をしたらクレジットカードを使えなくなる!
まずは自己破産によるクレジットカードへの影響について正確に理解しましょう。
1-1.自己破産がクレジットカードに与える影響
借入のあるクレジットカードは即時に停止
クレジットカードでショッピングやキャッシングなどをして残債が残っている状態で自己破産すると、そのカードは即時に停止されます。具体的には弁護士や司法書士に自己破産の手続きを依頼したときからカードを利用できなくなります。
そのためクレジットカードで光熱費やスマホ料金などの引き落としをしていた方は、弁護士などに自己破産を依頼すると引き落とし不能になってしまうので、相談前に支払い方法を変更しておく必要があります。
新たにクレジットカードを作れない
自己破産すると、その後しばらくの間新しいクレジットカードを作れなくなります。
カードの審査に落ちるので、どのクレジットカード会社でも新規カードを発行できません。
詳しくは「8.何年でクレジットカードを再度発行できる?」参照。
未利用のクレジットカードも止められる
今まで使ったことのないクレジットカード、借入をしたことのないクレジットカードの場合には、自己破産してもすぐには止められない可能性があります。ただしカードの更新の際には審査が行われるので止められます。
それ以外のタイミングでもクレジットカード会社が与信審査を行った時点で止められます。
つまり自己破産すると手元にクレジットカードを残したとしても、ある日突然カードを使えなくなる可能性があります。
ただし自分名義のクレジットカードに限られる
自己破産すると手持ちのクレジットカードは止められ、新しくカードを作ることもできなくなりますが、これは「破産者名義」のクレジットカードに限られます。家族の方などは今まで通りカードを利用できますし新しいカードも発行できます。
ただし「6.家族への影響、家族カードの取扱い」で詳しく説明しますが、破産者が自分名義でクレジットカードを発行して家族に「家族カード」を渡している場合、その家族カードは使えなくなります。
1-2.クレジットカードを使えない、作れない理由、ブラックリストの仕組みとは?
一般に債務整理によってクレジットカードやローンを一切利用できなくなった状態を「ブラックリスト」状態といいます。
債務整理とは借金を整理して減額してもらったり免除してもらったりする手続きです。一般的な方法として自己破産、個人再生、任意整理、特定調停の4種類があります。
ブラックリスト状態になるのは、自己破産などの債務整理によって「個人信用情報」に「事故情報」が登録されるからです。
事故情報とは「自己破産をしました」「借金を返せなくなりました」「長期延滞しました」などのマイナス情報です。そして個人信用情報を管理しているのは全国に3つある「信用情報機関」です。銀行などの金融機関やカード会社などの貸金業者はどこかの信用情報機関に加盟しており、ローンやカード発行の審査の際に、信用情報機関の保有する申込者の個人信用情報を参照します。
個人信用情報に事故情報が登録されると、クレジットカード会社が審査の際に参照し「この人に貸し付けると危ない」と考えるので審査に落としてしまいます。
そこで事故情報が登録されている限り、どこのクレジットカード会社でも審査に通らなくなります。「審査が甘い」ことで有名なクレジットカードでも無理です。
2.自己破産前に溜まっていたポイントについて
自己破産してクレジットカードが失効したら、それまで貯まっていた「ポイント」も全部なくなります。それまで1万ポイントあっても0になってしまいます。
ですから自己破産する時は、弁護士や司法書士に相談する前に必ずポイントを全部使ってしまいましょう。ショッピングに利用したり換金してなるべく残高を減らしてから破産手続きを開始するようお勧めします。
3.クレジットカードの残債はどうなる?
自己破産したら元本も利息もすべてなくしてもらえます。支払い遅延を起こして遅延損害金が発生していても全部0になり、自己破産をしたら一切のカード利用分の支払が不要になります。
何百万円のカード借金でもゼロにしてもらえるので、カード借金の返済ができなくなっているなら自己破産は非常に有効な手段です。
4.クレジットカード会社で発行したETCカードは使えなくなる?
車を運転する方は「ETCカード」を利用しているケースが多いでしょう。多くの場合、ETCカードはクレジットカードとセットになっています。
自己破産すると、本カードだけではなくETCカードも止められてしまいます。無効になっているのに気づかず高速道路のゲートをくぐろうとすると料金が支払われずトラブルになる可能性もあるので要注意です。
ETCカードを使えなくなった場合、現金で支払うか後述するように「ETCパーソナルカード」を利用しましょう。
5.家族への影響、家族カードの取扱い
家族カードとは本カードの契約者が2枚目、3枚目のカードを発行して家族に利用させるカードです。カードには主契約者ではなく「家族の氏名」が表示されています。
5-1.自分が自己破産した場合
まずは自分が自己破産したときの家族カードへの影響からみていきます。
自分が主契約者
自分が主契約者で自己破産し、奥さんなどの家族に家族カードを利用させているケースです。
この場合、自己破産者が主契約者なので家族カード含め全ての発行済カードが利用停止にされます。家族カードは主契約者を信用して発行されているものなので、主契約者が破産したら家族カードも止められるのです。
たとえば旦那さんが主契約者、奥さんが家族カードを使っている場合、旦那さんの自己破産と共に奥さんもカードを使えなくなります。そのため主契約者が自己破産する場合、事前に家族カードを利用している家族にクレジットカードが使えなくなることを伝えておいた方がいいでしょう。
家族が主契約者
家族が主契約者で自己破産者が家族カードを使わせてもらっているケースがあります。
奥さんがカードを契約して旦那さんの家族カードを発行し、旦那さんが破産するパターンなどです。
この場合、主契約者は破産しておらず信用力に影響がないので、カードは停止されずそのまま利用できます。破産した旦那さんも今まで通り家族カードを使い続けられます。
このように主契約者である家族にしっかりした信用力がある場合、自分が破産しても家族カードを使い続けられます。
5-2.家族が債務整理した場合
家族カードを持つ家族が自己破産、個人再生、任意整理や特定調停などの債務整理をすると、以下のような影響が及びます。
自分が主契約者
自分が主契約者、家族に家族カードを渡しているとしましょう。
この場合、家族が債務整理をしても自分のカードを止められることはありませんし、家族も家族カードを使い続けることができます。
家族が主契約者
家族が主契約者で自分が家族カードを使わせてもらっている場合です。
この状態で主契約者である家族が債務整理をすると、主契約者のカードも家族カードも止められます。そのため使わせてもらっている家族カードは利用できなくなります。
ただし自分で新しくクレジットカードを作ることはできるので、家族が債務整理してカードを止められた場合、自分が新しいカードと家族カードを作り家族に利用させることはできます。
5-3.同居か別居かで違いはある?
自己破産したとき、家族と同居しているか別居しているかで主契約者のカード、家族カードへの影響に変化はありません。別居していても主契約者が破産したら家族カードを含めて全部のカードを止められます。
一方、同居していても主契約者が破産していないなら家族カードは止められません。
基本は「主契約者が破産(債務整理)したかどうか」です。家族カードの利用者が債務整理したかどうかは関係ありません。
それさえ理解していたら、判断に迷うことはないでしょう。
6.デビットカード、プリペイドカードは使える?
自己破産後、クレジットカードを利用できなくなってもデビットカードやプリペイドカードは利用できます。
デビットカードとは、利用すると同時に口座から引き落とされるカードです。銀行のキャッシュカードと一体になっているケースが多数です。
プリペイドカードは、先に現金を入れておいて利用するカードです。
これらのカードは「後払い」ではないので、自己破産で信用を失っていても問題なく発行して利用できます。
7.何年でクレジットカードを再発行できる?
自己破産をしても、永遠にカードを再発行できないわけではありません。
ケースにもよりますが、5年程度の期間が経過したら個人信用情報から事故情報が消去されるので、またカードを発行できるようになります。
事故情報は基本的に「自動で消去」されます。破産者が特別な手続きをする必要はありませんし自己破産の「復権」とも関係がありません。復権とは、自己破産をして職業制限などをうけても「免責」決定されたら制限がなくなることです。復権してもしなくても破産後5年程度で事故情報は消えます。
なお信用情報機関には3つありますが、その中でも「KSC」では自己破産情報が10年保有され続けます。
ただし自己破産時に借入があって免除対象にしたカードについては、5年が経過しても使えない可能性が高くなります。カード会社では、過去に自己破産などをして返してもらえなくなったカード利用者のデータを蓄積しているケースがあります。カード会社独自の「自社ブラックリスト」のようなデータです。カードを破産対象にするとその独自の自社ブラックリストに登録される可能性が高くなります。
自社ブラックリスト情報は信用情報機関の事故情報のように一定期間で消去されるものではないので、5年以上経過してもそのクレジットカード会社のクレジットカードは再発行できません。
自社独自のブラック制度をもうけていないクレジットカード会社もあるので絶対ではありませんが、一般的には「一度破産でチャラにしてもらったクレジットカード会社のクレジットカードは二度と使えない」と覚悟した方が良いでしょう。
8.自己破産後5年が経過してクレジットカードを再発行する手順
自己破産をして5年程度が経過し、クレジットカードを再発行するときは、以下の手順で進めるとスムーズにカードの審査にとおりやすくなります。
8-1.個人信用情報の開示請求を行う
クレジットカードの審査に申し込む前に必ず個人信用情報の状態を確認しましょう。事故情報が残っている状態で審査に申し込んでも落とされるだけだからです。
個人信用情報は3つの信用情報機関で管理されています。
JICC
消費者金融が主に加入している信用情報機関です。カード会社も加入しているケースがよくあります。
JICCでは自己破産後5年程度で自動的に破産情報が消去されます。
個人信用情報開示手続きについては、店舗窓口での開示、アプリでの開示、郵送での開示に応じています。
窓口なら手数料が500円、アプリや郵送なら1,000円となっています。こちらのURLを参照して手続きを進めてください。
CIC
CICはほとんどのカード会社が加盟している信用情報機関です。CICでは自己破産後5年程度で自動的に破産情報が消去されます。窓口、ウェブ、郵送で開示に応じています。
窓口なら手数料が500円ですが、ウェブや郵送なら1,000円です。
ここで事故情報が残っていたら新たなカード発行は難しくなるので、必ず開示を受けましょう。
https://www.cic.co.jp/mydata/index.html
KSC
KSCは銀行などの金融機関が加盟している信用情報機関です。
KSCでは自己破産後10年程度、事故情報が保有され続けます。
銀行系のカードの場合、こちらに事故情報が残っていると発行されない可能性があるので、念のため開示を受けておきましょう。受付は郵送のみで手数料は1,000円です。
https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open/
上記のうち、少なくともJICCとCICで事故情報が消えていることを確認してからカードに申し込むと良いでしょう。
8-2.できるだけ通りやすい条件を整える
事故情報が消えていても、必ず審査に通るとは限りません。
クレジットカードの審査を申し込むときには、できるだけ審査に通りやすい条件を整えましょう。
具体的には以下のような対応です。
●なるべく給料の高い仕事に就く(上場企業や規模の大きな会社、公務員などは有利)
●勤続年数を増やす
●一定期間以上同じ場所に居住する
●家賃の低い家に住む(分譲でもOK)
自己破産後のブラックリスト期間中から徐々に準備を進めていきましょう。
8-3.なるべく審査の通りやすいクレジットカードに申し込む
どの会社のクレジットカードを申し込むかも重要です。一般的に審査にとおりやすいカードとそうでないカードがあるためです。
ブラックリスト状態から明けた最初のカードは、審査の甘いカードを選びましょう。
たとえば楽天カードやスーパーマーケットなどの流通系カードは、銀行系などに比べて審査に通りやすくなっています。
まずはそういったカードを発行してみて、信用を高めてから別のカードにチャレンジするのが良いでしょう。
9.クレジットカードを使えない、作れない期間の対処方法
自己破産でクレジットカードが使えない、作れなくなっても以下のような対処をすれば便利に生活できます。
9-1.家族カードを利用
家族が債務整理をしたり支払いを長期間延滞していなければ家族が主契約者となって本カードを発行し、自分の家族カードを発行してもらいましょう。自分が破産者でブラックリスト状態でも家族カードなら問題なく使えます。
9-2.プリペイドカードやデビットカードを利用
2つ目は、プリペイドカードやデビットカードを利用する方法です。
先に現金を入金しておけばスーパーやコンビニなどでプリペイドカードを使えますし、銀行預金口座に残高があれば対応している店舗でデビットカードを使えます。
デビットカードを持っていない方は、銀行で発行してもらえるので一枚作っておくと良いでしょう。
・世界中で使えるVisaプリペイドカード「MoneyT Global」
9-3.アプリ決済を利用
最近では「paypay」「Linepay」「楽天pay」などのさまざまなアプリ決済が誕生しています。消費税増税と同時にキャッシュレス決済の優遇が始まって利用している方も多いでしょう。
実はアプリ決済も、ブラックリスト状態で利用できます。
アプリではクレジットカードで支払う方法と、銀行口座を登録してチャージして支払う方法があります。
ブラックリスト状態の場合、クレジットカードを登録して支払う方法は利用できませんが銀行口座を登録してチャージして支払う方法なら利用できます。自己破産で通話料を免除してもらったケースでもスマホの契約や利用は可能です。
キャッシュレス還元やキャッシュバックなどもつくケースが多いので、活用してみてください。
9-4.電子マネーを利用
Edyやnanaco、suicaなどのさまざまな電子マネーは、ブラックリスト状態でも利用できます。
カードに電子マネーを入れたりおサイフケータイを利用したりして、電子マネー決済をしたらカードがなくても普段の買い物でさほど不便を感じなくて済むでしょう。
9-5.ETCパーソナルカードを使う
これまでクレジットカードと提携しているETCカードを利用していた方は、自己破産と同時にETCカードも止められてしまいます。
その場合「ETCパーソナルカード」の利用を検討してみてください。
これは全国の高速道路会社が発行しているETC専用のカードです。クレジット機能がついていないのでカード会社の審査がなく、ブラックリスト状態の方でも発行できます。
普通のETCカードと同様に利用分の後払いが可能ですし、ETCマイレージサービスや割引きも適用されます。
最初に預託金が必要ですが、後に解約すれば返ってきます。頻繁に車にしょっちゅう乗る方は、ぜひ利用してください。
まとめ
これから自己破産しようか迷っている方、すでに自己破産した方は「クレジットカードが使えない、作れないのは不便」なので「自己破産の大きなデメリット」と思っているかもしれません。
しかし上記で紹介したように、ブラックリスト状態でカードを利用できなくなっても便利に生活する方法はたくさんあります。
またカードを利用できない期間は永遠ではなく5年もすればブラックリスト状態が解除されます。
自己破産とクレジットカードの関係について心配している方は、ぜひとも参考にしてみてください。